小田代ヶ原
栃木県日光市に位置する小田代ヶ原(おだしろがはら)は、日光国立公園内、戦場ヶ原の西側に広がる標高約1,400mの湿原です。かつて湖であったものが湿原化したとされており、季節ごとに異なる表情を見せるその美しい景観は、「貴婦人」と呼ばれる一本のシラカバの木とともに、多くの写真愛好家を魅了してやみません。特に早朝の朝霧や紅葉の時期は、息をのむような絶景が広がり、まさに写真家にとっての聖地と言えるでしょう。
小田代ヶ原は、手つかずの自然が残されており、ミズナラやシラカバなどの木々が点在し、湿原植物の宝庫でもあります。新緑の季節にはワタスゲやレンゲツツジ、夏にはアヤメやニッコウキスゲ、秋には草紅葉と、訪れるたびに新たな発見があります。特に草紅葉の時期、湿原全体が黄金色に染まる光景は圧巻です。また、条件が揃えば「小田代湖」と呼ばれる水たまりが出現し、幻想的な水鏡の世界を撮影できることもあります。
撮影のポイント
「貴婦人」と呼ばれる一本のシラカバ: 小田代ヶ原のシンボルとも言えるこの木は、どの季節に訪れても絵になります。特に朝霧の中に浮かび上がる姿や、水面にその姿を映す「逆さ貴婦人」はぜひ収めたい一枚です。時間帯や天候によって様々な表情を見せてくれるので、根気強く粘ってみるのも良いでしょう。
朝霧: 早朝、湿原を覆う朝霧は小田代ヶ原の魅力を最大限に引き出してくれます。幻想的な雰囲気の中で、木々がシルエットになり浮かび上がる光景は息をのむ美しさです。
草紅葉: 9月下旬から10月上旬にかけては、湿原の草木が黄金色に染まる草紅葉が見頃を迎えます。湿原全体が絨毯のように広がる光景は、広角レンズでダイナミックに切り取るのがおすすめです。
夜明け・夕暮れ: 朝焼けや夕焼けに染まる空と湿原のコントラストも素晴らしい被写体です。刻々と変化する空の色と、その光を受ける湿原の表情を捉えましょう。
アクセス情報
小田代ヶ原へは、主にバスと徒歩でアクセスします。自家用車は一般車両の乗り入れが制限されているため、公共交通機関を利用するか、低公害バスへの乗り換えが必要です。
電車・バス:
JR日光線「日光駅」または東武日光線「東武日光駅」下車。
東武バス日光「湯元温泉行き」に乗車し、「赤沼」バス停で下車します。
「赤沼」バス停からは、低公害バス(有料)に乗り換え、「小田代原」バス停下車。バス停から徒歩すぐです。
低公害バスは運行期間が限られているため、事前に運行状況を確認してください。
「赤沼」バス停から小田代ヶ原までは、戦場ヶ原自然研究路を通り徒歩で約40分〜1時間ほどです。美しい自然の中を歩くので、ハイキングも兼ねて楽しむことができます。
車:
東北自動車道「宇都宮IC」から日光宇都宮道路へ入り、「清滝IC」で降ります。
そこから国道120号線を通り、赤沼駐車場を目指します。
赤沼駐車場からは、低公害バスに乗り換えるか、徒歩で小田代ヶ原へ向かいます。
紅葉の時期などは、周辺道路が大変混雑するため、時間に余裕を持って行動することをおすすめします。
関連リンク
テーマ: 霧, 高原都道府県: 栃木県
市区町村: 日光市
撮影時期: 10月下旬
地方: 関東甲信
季節: 設定なし